column お役立ちコラム
「ReTerra」開発者の独り言① M氏
お役立ちコラムでは、「ReTerra開発者の独り言」として、役立つ情報・社会問題等、定期的に発信します。
太陽熱利用と太陽光発電
太陽熱利用は太陽光発電と似ていますが、太陽の光から電気を生み出す太陽光と異なり、太陽の熱をダイレクトにエネルギーとして使用するという点で違っています。
太陽光発電は半導体という特殊な物質に光を当てて、電子を動かすことで電気をつくるという複雑な原理を利用しています。
一方で太陽熱は太陽の光が当たって温度があがる、という単純な仕組みです。
そのため、効率10~20%と言われる太陽光発電に比べて、エネルギーをダイレクトに使う熱利用は、条件を整えれば40~70%程度の効率が見込めるのです。
資源エネルギー庁のwebサイトには、下記のように紹介されていました。
- ・太陽熱利用システムは太陽光発電に比較してエネルギー効率は高く、価格も安価です
- ・ただし、適用建物は給湯需要の多い建物(ホテル、病院、福祉施設、共同住宅、学校など)
- ・太陽光発電は価格は高くなりますが、広範な建物に利用可能です
ここで私たちが考えたいのは、エネルギーの有効利用です。
太陽光発電は電気といういろいろなことに使える“高級”なエネルギーを生み出します。
パソコンを使うのも、TVを見るのも電気がなければできません。
太陽エネルギーのせいぜい2割しか使えない貴重なエネルギーです。
その貴重な電気を使ってお湯を沸かすのはもったいないですね。
熱を熱としてそのまま使えるお湯や暖房などには、太陽エネルギーを5割以上活用できる太陽熱を使ったほうが合理的です。
しかし、このような話をすると、「エコキュートは効率が3倍ぐらいあるから、太陽光発電が太陽エネルギーの2割を使えるなら2割×3倍=6割となり、太陽熱利用と効率は同じぐらいになる」と反論されることがあります。
理屈はその通りで、間違っていないと思います。
しかし、その電気を他の用途に使い、お湯は太陽熱利用で賄えば、他で使った電気が、本来火力発電で得るはずだった電気を使わないことになり、結果として化石燃料の消費削減になります。
それは太陽熱ではできないことなのです。
規模を大きくすれば太陽熱発電という技術もありますが、それはまたの機会にお話ししましょう。
私たちマルヤス工業が太陽熱事業に進出したのは、太陽光発電と同様に太陽熱利用も積極的に活用し、化石燃料に頼るエネルギー事情を一刻も早く改善していくべきとの思いからです。
最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。
~マルヤス工業 開発者担当者 M氏~